サウンドの力―若者・余暇・ロックの政治学
サウンドの力―若者・余暇・ロックの政治学
この本は、本文同様に解説も秀逸である。以下にそのさわりを引用してみる。
ロックは「芸術」というイデオロギー(そのひとつの例が「プログレッシヴ・ロック」)と商品性を同時に引き受けたため、芸術対商品という対立なしに、商品である芸術、芸術である商品という矛盾を内に秘めることになった。ある雑誌は前衛の意味を支持し、またそれを「大衆化」する役割をもつ。ロックがそれまでのポップ雑誌とちがう文字媒体(アンダーグラウンド・プレス)を持ったのは、ポップとはちがう意味づけの体系を確立しなくてはならなかったからだ。
ロックは演奏家やスタッフにとっては労働だが、その消費者にとっては余暇活動の一部になる。しかし余暇は労働の逆ではなく、労働を補完し、さらに労働する(させる)ためのシステムである。
ロックは大衆操作だといわれるが、それはいつも消費者に決定の幅を与えた操作であり、その自由が最終的にロックを予測不可能にしている。それこそがロックのロックらしいところなのだ。
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